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ボランティア

1998/07/28

環境保全・社会奉仕

植林活動

1.ますます活性化する植林活動

昨今、企業による植林活動が活性化している。企業活動において直接的に森林資源を活用する製紙会社、建材会社などばかりでなく、直接的には森林資源とは無縁であると考えられる企業ですら、次々と植林活動に名乗りを上げている。
今回は、最近活発に行われている企業の植林活動に着目して、その活動の背景や内容についてまとめた。

2.企業が植林に熱心である背景とは

世界における森林の減少ははなはだしく、1980年~1990年にかけて1億5400万haの森林が減少した。これは、日本の国土面積の約4倍にあたる。さらに、1990年~1995年にかけては、毎年1130万haの森林が減少しており、実に日本の国土面積の約30%の森林が毎年減少していることになる。森林減少の主な原因は、不適切な商業用伐採、焼畑や森林火災による消失などとなっており、特に熱帯林において森林減少は深刻である。
森林は二酸化炭素の吸収・固定機能により地球温暖化防止に大きく貢献するほか、多様な生物資源・生態系の維持、水源涵養など、非常に多くの有益な機能を有する貴重な資源である。しかしながら、環境に貢献するという点では、温室効果ガス排出削減対策として省エネ技術の開発やESCO事業など他にも様々な手段があるため、企業がここまで植林を行う理由にはならないであろう。では、企業はなぜ植林事業を積極的に行っているのであろうか。それには次のような理由が考えられる。

(1)二酸化炭素排出枠の取得

京都議定書が本年2月に発効され、各国の温室効果ガス削減目標はいよいよその実効性が問われることになった。日本における削減目標は1990年比6%削減となっているが、現段階では8%の増加となっており、目標の達成が危ぶまれている。このような状況において、環境省などでは京都メカニズムの積極利用の推進と併せて、環境税の増設を検討しており、具体化された場合には温室効果ガスを大量に排出する企業にとって厳しい状況が想定される。そして、各企業の温室効果ガス削減に関しては、すでに高度な省エネ技術が導入されていたり、業務の効率化が進んでいるなどの事情により、大規模な排出量削減の達成が困難である業界も多い。このような背景から、二酸化炭素を吸収・固定する森林の植林活動は企業の重石となる温室効果ガス排出量を相殺し得る有用な解決手段として注目されている。

京都議定書においては、1990年における温室効果ガス総排出量の1%を獲得できるクレジットの上限として、吸収源CDMプロジェクトの実施が可能である。このため、CDM事業の一環として活用を検討している企業も存在する。

ここで、吸収源CDMの条件と森林の定義を紹介する。
(a)吸収源CDMのプロジェクトは以下の2つに限定
(イ)新規植林:過去50年間森林でなかった土地に植林すること
(ロ)再植林:1989年以前に森林でなかった土地に植林をすること

(b)森林とは次の3つの最低値を全て超えるもの
(イ)最低面積(0.05-1.0ha)
(ロ)最低樹幹率(10-30%)
(ハ)成木の最低樹高(2-5m)

また、国の排出枠とは別に、企業ごと、業種ごとの温室効果ガスの排出枠の設定や、排出量に応じた課税の実施などについても、従前より検討が進められている事項である。企業に温室効果ガス排出量の報告を義務化するなど、各企業の温室効果ガス排出量及び削減対策について向けられる目は厳しくなっている。このため、温室効果ガス排出量が多く、削減が進まない業界では、植林によってトータルの排出量の削減に努め、排出量削減に余裕がある業界では、植林によって得た温室効果ガス吸収量を売却するビジネスを見込んで取り組むという動きが見られる。

(2)植林を通じた社会貢献・地域交流活動

また最近、業界を問わず新聞などの誌面をにぎわせている言葉として、CSR(企業の社会的責任)が挙げられる。これは、企業が持続的発展を遂げるには、企業が果たすべき社会的責任、すなわち財務・経済面のみならず、環境面、社会面での責任を履行する必要があるというものである。環境面に関しては、日本では製造業などを中心に、1960年頃から環境関連法規制の強化に応じて、規制のクリアから先端技術の開発へと着々と歩みを進めてきた。そして、未だ多くの課題が残されている分野が社会面における取り組みである。すなわち、労務管理、人権問題、社会貢献活動、およびステークホルダーとのコミュニケーションなどであり、従来日本の企業が取り組みは行っていながら公表することには必ずしも積極的ではなかった分野である。しかしここに来て、CSRの高まりと共に企業の社会貢献活動なども今まで以上にステークホルダーなどから厳しい目が注がれるようになってきた。そこで各企業では、活動地域などを中心とした植林活動や、植林活動を媒介とした社会貢献活動やステークホルダーとのコミュニケーションを、社会的責任を履行する一つの手段として盛んに行うようになってきた。

企業の社会貢献活動に植林を促す制度として、林野庁が中心となって進めている「法人の森林(もり)」制度がある。これは、国有林の森林管理などの資金を企業が出資するかわりに、その森林地において一定の活動が行えるというもので、国有林保護の面から見ても、企業の社会貢献活動の面から見てもメリットのある仕組みである。同様の仕組みは、都道府県単位でも設立されており、実施例も見られるようになってきた。

(3)持続性のある植林活動を

これまで見てきたように、植林活動は近年目覚しい勢いで、各地で展開されている。
このことは、地球規模でみても非常に有意義なことであるし、京都議定書上の吸収源活動、特に国内の森林経営による温室効果ガス削減目標の達成の面から見ても、解決の一端を担うものとなるであろう。しかし、日本国内の森林経営による温室効果ガス削減目標達成が困難であるという事実からわかるように、森林は植林すれば二酸化炭素を固定し続けるというものではなく、長期にわたって継続的なメンテナンスが不可欠である。そして、国内ではその人材も資金も不足しており、日本の林業経営は危機的状況にある。

企業が、地球温暖化防止と社会貢献活動の両面に配慮して森林ビジネスに着手する際には、単なる一過性の植林ブームに終わらせることなく、林業経営的な要素も踏まえた持続的な維持管理を行うことこそが、真の社会的責任の履行にも繋がると考える。